オオチャバネセセリ(読み)おおちゃばねせせり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオチャバネセセリ」の意味・わかりやすい解説

オオチャバネセセリ
おおちゃばねせせり / 大茶翅挵蝶
[学] Polytremis pellucida

昆虫綱鱗翅(りんし)目セセリチョウ科に属するチョウ。北海道から九州まで広く分布し、関東地方以北では普通であるが西南日本では一般に少ない。外国では朝鮮半島、中国東北部、台湾から記録されているが、はたして日本産と同種であるかどうかはさらに検討を要する。普通のイチモンジセセリに似ているが、全体の大きさに対して触角が長いこと、後ろばねの白斑(はくはん)がイチモンジセセリのように一列に規則正しく並ばず、交互にずれることによって容易に見分けられる。寒冷地では年1回7~8月に発生するが、暖地では年2回(6~7月、8~10月)、秋季に第3化のみられることもある。幼虫の普通の食草はササ・タケの類、ススキチガヤヨシイネなどにもつくことがある。越冬態は幼虫である。

白水 隆]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のオオチャバネセセリの言及

【イチモンジセセリ】より

…八重山諸島以南に分布するトガリチャバネセセリPelopidas agnaは前翅の白色斑配列がチャバネセセリと異なる。オオチャバネセセリ属のオオチャバネセセリPolytremis pellucidaは外見上本種に似るが,後翅の4個の白色斑は1直線状に並ばない。【高橋 真弓】。…

※「オオチャバネセセリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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