日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオハマボウ」の意味・わかりやすい解説
オオハマボウ
おおはまぼう / 大浜朴
sea hibiscus
[学] Hibiscus tiliaceus L.
アオイ科(APG分類:アオイ科)の常緑小高木。葉は円心形で長さ10~15センチメートル、基部は心臓形で、表面はやや光沢があり、裏面は短毛を密生し灰緑色。花は鮮黄色で径約7センチメートル、観賞用とされ、琉球(りゅうきゅう)切手に原色図がある。靭皮(じんぴ)繊維は縄、織物などに使う。挿木で殖やし防風、防潮に用いる。海岸低地に生育し、小笠原諸島、屋久島(やくしま)、種子島(たねがしま)以南、熱帯に分布する。類似のものに同科のサキシマハマボウThespesia populnea (L.) Soland.がある。徳之島以南、熱帯アジアの海岸に分布する。オオハマボウとは花柱、柱頭の構造が異なる。花は初め黄色、のち縁辺が紫色を帯びる。材は硬く家具材とする。
[島袋敬一 2020年4月17日]