靭皮(読み)ジンピ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

靭皮
じんぴ

植物の一次篩部(しぶ)と二次篩部の部分をいう。二次肥大する植物では、茎や根に生じた形成層の活動によって内側には二次木部が、外側には二次篩部が次々と形成される。この形成層より内側の二次木部の部分を材とよび、外側の活動中および以前に形成されてつぶされかかっている二次篩部、さらに一次篩部が残っていれば、これをも含めて靭皮という。二次肥大が活発であればやがて表皮は壊れ、これにかわって皮層に生じたコルク形成層が活動して周皮を形成する。長い間にわたる二次肥大につれて、二次篩部の中にコルク形成層が次々と交替しながら発生し、それより外の部分は乾燥して樹皮としてはがれていく。なお、しばしば靭皮の部分も含めて樹皮とよぶ場合もある。
 篩部は機械的支持の働きをする繊維を生じることが多く、靭皮に蓄積している繊維を靭皮繊維とよぶ。この繊維は長くて軟らかいため、有用なものが多く、アサ、ジュート、カラムシ、アマなどの繊維は布、縄などに利用されるほか、コウゾやミツマタなどでは和紙の原料となる。[西野栄正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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