デジタル大辞泉
「オバマケア」の意味・読み・例文・類語
オバマ‐ケア(Obama-care)
オバマ政権が推進する米国の包括的な医療保険制度改革。国民に保険加入を義務付け、保険料の支払いが困難な中・低所得者には補助金を支給することにより、保険加入率を94パーセント程度まで高める。
[補説]米国には、公的医療保険制度として高齢者・障害者向けのメディケアと低所得者向けのメディケードがあるが、国民皆保険制度は採用していないため、一般の国民は民間の医療保険に加入する。しかし、保険料が高額なため国民の6人に一人が無保険者となっている。一方、技術の高度化等により医療費が増大し、深刻な社会問題となりつつあることから、オバマ政権は医療保険制度改革を内政の最重要課題に位置づけ、2010年3月に医療保険制度改革法を成立させた。
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オバマケア
米民主党のオバマ前政権が推進し、2010年に成立した医療保険改革法に基づく保険制度。オバマ前大統領と医療保険(ヘルスケア)を合わせた造語。国民皆保険ではない米国で、公的補助を通じ国民に保険加入を義務付けた。開始前に18%いた無保険者は16年に10%前後に減ったが、既往症のある人も加入したため保険会社の経営が圧迫され、保険料の上昇を招いた。政府機能の肥大化を嫌う共和党のトランプ大統領は改廃に意欲を示している。(共同)
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オバマケア
おばまけあ
ObamaCare
アメリカのオバマ政権が推進する医療保険制度改革の通称で、2010年3月に議会で成立した公的保険制度。自由主義の国であるアメリカでは、連邦政府や州政府による保険制度はなく、多くの民間企業が会員向けの保険制度を運用している。そのため、中間層以上の国民は民間の医療保険に加入し、高度医療を受けることができるが、保険料を負担できない貧困層を中心に無保険者が増大している。その解決手段として、国民皆保険を目ざすオバマケア法案が成立した。オバマケアでは、政府の補助がついた新型の医療保険を導入し、これまで無保険だった貧困層を含む全国民の加入を義務づける。これに伴い、全額自己負担の個人加入保険を廃止し、これまで全額自己負担の保険に加入していた人も新型医療保険に強制加入させる。制度には罰則規定があり、2014年4月1日までに保険に加入していない場合は追徴課税がある。
しかしオバマケアによる支出は今後10年間で約1.1兆ドルにのぼることなどから、保守派の市民運動であるティーパーティーの反発や野党共和党議員の強硬な反対が続いている。さらに2013年10月からスタートした新型保険へのオンラインでの加入申込みは、システムの不具合により契約数が伸び悩んでおり、大統領は11月、オバマケアの基準に満たない保険契約でも契約者が希望する場合、1年間の再契約ができるという措置を柱とする修正案を発表した。しかしさらなる反対や混乱が続いた場合、強制移行期限の延長も含めた変更が行われる可能性もある。
[編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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