ローマの北西約100キロメートルのオルビエートにある大聖堂。1290年にフラ・ベビニャーテFra Bevignateによって建造が開始された際はロマネスク様式の教会であったが、最終的には14世紀中ごろにゴシック様式で完成された。イタリアのもっとも美しい大聖堂の一つ。300人以上の建築家、彫刻家、画家が建築および装飾に携わったとされる。とくにL・マイタニの設計に始まり、のち同じく14世紀のA・ピサーノ、A・オルカーニャの手を経て1600年に完成された正面外壁は、飾り破風(はふ)や左右の小尖塔(せんとう)、薔薇(ばら)窓を伴って堂々たる美しさを誇っている。内部の右翼廊部にある聖ブリーツィオの聖母礼拝堂には、ルカ・シニョレッリが描いた『最後の審判』のフレスコ画がある。
[名取四郎]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...