イタリア,ウンブリア派の画家。コルトナCortona生れ。ピエロ・デラ・フランチェスカが師匠と考えられているが,最初のサインのある《キリスト鞭打ち》と《聖母子》では誇張した筋肉描写と暗褐色の使用がすでにみられ,ポライウオロの画風に近づいている。代表作はオルビエト大聖堂のサン・ブリツィオ礼拝堂の壁画連作で,1499年に依頼され,世界の終末,キリストの敵の到来と滅亡,および最後の審判を,鮮烈なリアリズムにより描き出している。人物の短縮法,その緊張したポーズ,暗いが力強い生気あふれる表現に特色があり,ミケランジェロの先駆を思わせる。しかしそれ以後の作品は,優美になったとはいえ独自性は失われ,古風な画風を反復するようになる。
執筆者:田中 英道
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…ペルジーノに至って確かな造形形態に温雅で感傷的な表現を漂わせたウンブリア派の様式が確立される。続くピントゥリッキョは華やかな色彩による物語描写を,シニョレリは人体の動態表現を発展させた。ラファエロはこのウンブリア派のもとで初期の芸術形成を行った。…
※「シニョレリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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