オードセーヌ県（読み）オードセーヌ（その他表記）Hauts-de-Seine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

オードセーヌ〔県〕
オードセーヌ
Hauts-de-Seine

フランス北部，イルドフランス地域 (レジオン) の県。パリ首都圏に属する。 1964年のパリ地区再編成に伴い，主として旧セーヌ県の西部をもって設置された。県都ナンテール。セーヌ川に囲まれた半島状の平坦地の北端には，ジェンヌビリエの近代的なパリ河港がある。セーヌ川に沿ってブーローニュビヤンクールからラガレンヌコロンブにいたるまで，鉄鋼業を主体とした一連の工業都市が並んでいる。この地域では特に住宅の団地化が進み，シャンゼリゼ通りに続く大通りと高速地下鉄によりパリと結ばれているデファンス広場を中心として新しい町づくりが行われている。さらにその西方，ナンテールでは行政地区や大学地区が建設された。モンバレリアンの丘から南は起伏に富み緑地が多く，比較的高級な郊外住宅地が発達。南部はパリ南西方にあたり，工場地帯は市街周辺のイシレムリノからモンルージュに沿って帯状をなす。この地域でもすでに工場と団地が混在する郊外住宅区の性格が現れている。この南側にはパリ市地下鉄の地上延長線がソー市まで通じている。学生街カルティエラタン (ラテン区) の延長区的性格を有し，アントニーおよびシャトネマラブリの大学，フォントネーオーローズの原子力研究所などがある。住宅も中級以上のものが多く，家屋の密集度は低い。近年変貌が著しい。面積 176km²。人口 139万 1658 (1990) 。

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