日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシューワニス」の意味・わかりやすい解説
カシューワニス
かしゅーわにす
cashew varnish
ウルシ科の植物カシューナッツ(主産地はインド)の殻(から)の中に存在しているカシューナッツ殻液を原料としたワニス。ウルシオールと似た構造をもつ。天然の重要なフェノール成分であり、フェノールと混合してホルムアルデヒドと反応させて、油溶性のフェノール樹脂として、アルキド樹脂、メラミン樹脂、乾性油などに添加して、塗膜の諸性質や乾燥性の改善が行われている。漆と同様に黄変、耐暴露性に乏しい。工芸品に応用されるほか、耐薬品性、電気絶縁性などに優れているので化学機械の耐薬品塗料、絶縁塗料に用いられる。
[垣内 弘 2020年9月17日]