ウルシオール(読み)うるしおーる(英語表記)urushiol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウルシオール」の意味・わかりやすい解説

ウルシオール
うるしおーる
urushiol

ウルシの木の樹皮から滲出(しんしゅつ)する生漆(きうるし)の主成分。フェノール誘導体の一つで、アルキル基Rが4種類のものの混合物であり、真島利行(まじまりこう)が構造決定と合成による確認をした(1912)。無色粘稠(ねんちゅう)な液体で、沸点は200~210℃(0.4トル)、比重0.9687。漆が皮膚にかぶれをおこすのはウルシオールアレルゲンとして作用するもので、接触皮膚炎である。

垣内 弘 2020年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルシオール」の意味・わかりやすい解説

ウルシオール
urushiol

化学式 C21H34O2 。漆の主成分。炭素原子数 15 個の不飽和側鎖のついた二価フェノールで,側鎖の構造により5種のものが知られている。酸化重合によって堅ろうな被膜をつくる。皮膚に触れるとかぶれを起す。

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