カルステンス(英語表記)Asmus Jakob Carstens

改訂新版 世界大百科事典 「カルステンス」の意味・わかりやすい解説

カルステンス
Asmus Jakob Carstens
生没年:1754-98

デンマーク出身の画家。半ば独学で絵画の技術を習得。ドイツやイタリアを旅行後,1790年ベルリンアカデミー教授となる。92年より同校の奨学金でローマに留学し,同地で没。古代芸術やミケランジェロに多く学び,技術的欠陥を残しつつもロココ的古典主義を超克し,簡潔で力強い新古典主義へ向かう。作品には,古代神話や文学作品に主題をとった黒白チョークによるカルトンが多い。〈私の能力は神から授かったもので他には義務を負わない〉との宣言を発したことでも知られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルステンス」の意味・わかりやすい解説

カルステンス
Carstens, Asmus Jacob

[生]1754.5.10. シュレースウィヒ近郊ザンクトユルゲン
[没]1798.5.26. ローマ
ドイツの歴史画,肖像画家。 1776~83年コペンハーゲンのアカデミーに学ぶ。リューベック,ベルリンに滞在したが,イタリア美術に憧れ 92年にはローマにおもむく。 G.ロマーノ,レオナルド・ダ・ビンチ,ミケランジェロ,ラファエロの絵画から得た古典的様式と精神を 18世紀後半のドイツ芸術に導入し,古典主義 (→新古典主義美術 ) の指導者となる。聖書や古代の英雄伝,神話などを主題に描いた。

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