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カーク カークKirk, Norman Eric

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カーク
Kirk, Norman Eric

[生]1923.1.6. カンタベリー
[没]1974.8.31. ウェリントン
ニュージーランドの政治家。小学校卒業後苦学したが,1953~57年カイアホイ市長,57年国会議員,65年労働党党首となった。 72年 11月総選挙で 12年ぶりに国民党に圧勝,首相に就任した。新政権発足後ただちに中国との国交樹立,東南アジア条約機構 SEATOからの段階的撤退,ベトナム駐留軍の引揚げなど進歩的な対外政策を打出したが,首相在任中に死亡。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カーク
かーく
Rahsaan Roland Kirk
(1935―1977)

アメリカのジャズサックス奏者。オハイオ州コロンバスに生まれ、2歳のとき看護婦の医療ミスにより失明する。オハイオ州立盲学校で教育を受け、幼児期から音楽の魅力に取りつかれる。9歳のときトランペット手にするが、眼に悪影響があるということで、楽器をサックスに変える。12歳になるとスクールバンドでサックスとクラリネットを演奏し、15歳でリズムアンドブルース・バンドのリーダーとなり、同時に二つの楽器を演奏することを試みている。16歳のとき、同時に3種の楽器を演奏する夢を見、練習の末これを実現する。またこのとき夢のお告げで「ラサーン」という名前を与えられ、以後自称するようになる。彼はテナー・サックスと、スペイン軍楽隊が使用していたストリッチとマンゼロというサックスの仲間の楽器を3本同時に口にくわえ演奏した。こうすると独特の複雑なハーモニーが生じ、以後これが彼の特技となる。
 1956年に初リーダー作『サード・ディメンション』を吹き込むがあまり注目されず、60年にピアノ奏者ラムゼイ・ルイスRamsey Lewis(1935― )の紹介でアーゴ・レーベルに『イントロデューシング・ローランド・カーク』を録音、珍しい奏法の是非をめぐって議論を呼ぶ。61年、ベース奏者チャールズ・ミンガスのバンドに4か月間在籍し、彼のアルバム『オー・ヤー』のサイドマンを務め、ミュージシャンとしての評価を確立する。ミンガスのバンドを辞めた後、西ドイツ(当時)のエッセン・ジャズ・フェスティバルにソロイストとして参加、63年には自らのバンドを率いてヨーロッパ・ツアーを行い、ロンドンの「ロニー・スコット・クラブ」に出演する。1970年代になると「バイブレーション・ソサイエティー」というバンドを結成し、ロック、リズム・アンド・ブルースなどの要素を大胆に取り入れながら、伝統的なジャズの味わいも色濃く残した独自の境地に到達する。このバンドは全米、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドと世界各地をツアーして回った。74年、ミンガスとの再会レコーディング・セッションを行い、この模様がアルバム『ミンガス・アット・カーネギー・ホール』Mingus at Carnegie Hallとして発売され、カークのソロが話題を呼ぶ。75年脳卒中のため半身不随となるが奇跡的にカムバックし、演奏活動を続ける。しかし77年脳溢血のため亡くなる。
 代表作に『ウイ・フリー・キングス』(1961)、『溢れ出る涙』『ヴォランティアード・スレイヴリー』(ともに1968)、『カーカトロン』Kirkatron(1976)がある。カークは同時複数楽器奏法により好奇の眼で見られがちだが、それは音色の多様性を求めるという必然性から生まれたもので、けっして演芸的な効果のみを狙ったものではない。また、彼の音楽はジャズの伝統に深く根ざしたもので、リズム・アンド・ブルースあるいはロック・ミュージック的手法も、彼の音楽世界に有機的に取り込まれたジャズ的表現として昇華されている。[後藤雅洋]
「『イントロデューシング・ローランド・カーク』『ウイ・フリー・キングス+2』CD(以上1997・ユニバーサル ミュージック) ▽『溢れ出る涙』『ヴォランティアード・スレイヴリー』CD(以上1998・ワーナーミュージック・ジャパン) ▽『サード・ディメンション』CD(2000・東芝EMI) ▽チャールズ・ミンガス『オー・ヤー+3』CD(1999・ワーナーミュージック・ジャパン) ▽Charles Mingus : Mingus at Carnegie Hall(CD, 1994, Mobile Fidelity)」

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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