カーバイド工業(読み)カーバイドこうぎょう(英語表記)carbide industry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーバイド工業」の意味・わかりやすい解説

カーバイド工業
カーバイドこうぎょう
carbide industry

カーバイド (→炭化カルシウム ) を製造する工業。日本では当初,石灰窒素として肥料製造用を中心に発展したが,1950年頃からカーバイド,アセチレン (カーバイドに水を作用させて発生) を原料とする有機合成品の普及需要が増大し,57年以降は塩化ビニル酢酸ビニル向けに大きく伸びた。しかし塩化ビニル,酢酸ビニルなど大部分の製品が原料源を石油化学に転換したため,需要は減少,石灰窒素および溶接,切断用カーバイドが中心になる方向を示している。各メーカーは電気炉の一部を合金鉄の生産に振向けたり,運転休止に踏切ったりして減産体制を続けている。

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世界大百科事典(旧版)内のカーバイド工業の言及

【化学工業】より

…合理化の柱の一つはガス源転換によるコスト・ダウンで,それまでの電力,石炭,コークス中心から,原油,天然ガスや製鉄廃ガスへと転換していった。 脱肥料化の動きは,アンモニア工業よりも,カーバイド工業でのほうが急であった。カーバイド工業の主製品は,それまで石灰窒素と呼ばれる化学肥料であったが,1950年ころからアセチレン系有機合成化学品へと移っていった。…

※「カーバイド工業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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