反磁性体(読み)ハンジセイタイ

大辞林 第三版の解説

はんじせいたい【反磁性体】

銅・金・銀・亜鉛・鉛・ビスマスなどのように、磁場の中においた時、磁場と逆の方向に磁化される物質。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

反磁性体
はんじせいたい

磁場の中に置くと、磁場の方向とは反対の方向に磁化されるという性質、すなわち反磁性diamagnetismをもつ物質をいう。銅のような金属、炭素などの非金属元素、パラフィンなどの炭化水素などの例をあげることができる。1845年にイギリスのファラデーによって、リンやビスマスの物質において初めて発見され、フランスの理論物理学者ランジュバンが、その原因が「ラーモア歳差運動」にあることを証明した(1905)。ラーモア歳差運動とは、電子などの荷電粒子が磁場内で行う歳差運動で、1899年に関係式を発見したイギリスのラーモアにちなんでこのようによばれる。
 反磁性は、実は電子系としての物質がもつ一般的な性質であるが、強磁性体や常磁性体では、反磁性とともに強磁性や常磁性が存在し、それらのほうが反磁性より強いため、反磁性の存在は覆い隠されている。そういうことがなく、反磁性だけが純粋に現れるのが反磁性体といわれる物質である。
 一方、超伝導体は、外部からの磁場を完全に排除するマイスナー効果を示す。これは、超伝導体が磁場と逆向きに大きく磁化されていることと同等であるので、超伝導体は完全反磁性体といえる。この性質は、磁気浮上などに応用することができる。[宮原将平・佐藤博彦]
『中嶋貞雄著『新物理学シリーズ9 超伝導入門』(1971・培風館) ▽安達健五著、鈴木平・近角聡信・中嶋貞雄編『化合物磁性』(1996・裳華房)』

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世界大百科事典内の反磁性体の言及

【磁性】より

…このとき著しい性質を示すのは強磁性と呼ばれる磁性を有する物質(強磁性体)で,自身も磁極をもち,磁石となって互いに力を及ぼす。強磁性のような著しい効果は示さないが,磁石が及ぼす力(磁場)の方向に対して逆の方向に弱い磁化を生ずる性質を反磁性,磁場の方向に平行な磁化を生ずる性質を常磁性といい,そのような磁性をもつ物質をそれぞれ反磁性体,常磁性体と呼ぶ。強磁性に対し,反磁性,常磁性を弱い磁性,または弱磁性feeble magnetismということがある。…

※「反磁性体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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