キングサリ(読み)きんぐさり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キングサリ」の意味・わかりやすい解説

キングサリ
Laburnum anagyroides; golden-chain

別名キバナフジ。マメ科の落葉小高木で,ヨーロッパ中・南部原産。樹高は7~10mになる。葉は3小葉から成る複葉で,互生。花は鮮黄色の蝶形花が長さ 20~30cmの円柱状の総状花序を形成し,下垂する。花には甘い香りがあり,名のとおり金色の鎖のような花房を枝全体に垂らした満開時の様子はみごとである。同属のラブルヌム・アルピヌム L.alpinumとの間に交雑種ラブルヌム・ウォータレリ L.×watereriがつくられ,ヨーロッパ諸国では,いずれも庭園樹として利用される。日本でも近年,苗が流通するようになり,今後の普及が待たれる。寒さに強く,暖地では虫害を受けやすいが,夏期冷涼地域での生育はよい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キングサリ」の意味・わかりやすい解説

キングサリ
きんぐさり / 金鎖
[学] Laburnum anagyroides Medic.

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉小高木。高さ3~5メートル。和名は英名golden chainに基づく。一名キバナフジ。葉は3出複葉で長い柄があり、小葉は楕円(だえん)形、長さ3.5~7センチメートルで裏面に白い絹毛がある。5~6月、枝先の葉腋(ようえき)から長さ20~30センチメートルの総状花序を下垂し、鮮黄色の蝶形花(ちょうけいか)が多数開く。花は長さ約2センチメートルで、翼弁(よくべん)は竜骨弁(りゅうこつべん)より長い。果実扁平(へんぺい)な線形で長さ5~7センチメートルで伏毛がある。ヨーロッパ中南部原産で、日本へは明治初期に渡来した。初夏花木として植えられる。

小林義雄 2019年10月18日]


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