クギヌキハサミムシ(読み)くぎぬきはさみむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クギヌキハサミムシ」の意味・わかりやすい解説

クギヌキハサミムシ
くぎぬきはさみむし / 釘抜蠼螋
釘抜鋏虫
[学] Forficula scudderi

昆虫綱ハサミムシ目クギヌキハサミムシ科に属する昆虫。雄虫の腹端のはさみが大きく、釘(くぎ)抜き状に曲がっているのでこの名がある。体長20ミリメートル内外。体は濃い褐色で、頭部と前胸側縁はやや淡色触角と脚(あし)などは黄褐色。頭と胸はほぼ等幅、腹部は中央でやや広がる。前翅(ぜんし)は淡色で短く、その先端は後ろ脚の基部あたりまでしか伸びず、後翅はない。腹部は6、7節付近でやや膨らんでいる。腹部のはさみは雌雄二型を示し、雄では釘抜き状、その前半は平たく幅広で、内側の縁が角張っており、後半が円く曲がりキャリパス状になっている。雌のはさみは直線的に短く、先端へ向かって細くなる。山地石下などにすむ。北海道や本州に分布し、シベリア沿海州にもいる。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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