クレアチニン

デジタル大辞泉 「クレアチニン」の意味・読み・例文・類語

クレアチニン(creatinine)

クレアチン代謝産物。一般に筋肉で生成され、腎臓から尿中に排泄はいせつされる。腎機能不全の際には血液中の濃度上昇

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「クレアチニン」の解説

クレアチニン

基準値

男性:0.5~1.0mg/dℓ

女性:0.4~0.8mg/dℓ

(酵素法)

クレアチニンとは

 尿素窒素と同様、体内の蛋白質が分解されたあとの最終産物。筋肉内でクレアチンという物質からつくられて血液中に出現し、腎臓から尿中へ排泄される。


腎機能が低下するとクレアチニンが増加

腎臓や筋肉の病気などを調べる検査です。高値のときは、腎機能がかなり悪化している可能性があります。筋肉の萎縮する病気の場合は、低値になります。

腎機能が低下すると高値に

 尿素窒素ちっそ(→参照)と同様に、じん臓病の疑いがあるときに行う検査です。

 ただし、尿素窒素は腎臓では糸球体濾過ろかされて、尿細管から再吸収されますが、クレアチニンは糸球体から濾過されるだけで、尿細管から再吸収はされません。さらに、クレアチニンは、腎臓以外の影響を受けにくいという性質があります。

 そのため、腎臓の排泄能力の指標としてより有効で、クレアチニンの上昇は、腎機能が低下した状態をよりよく反映しています。

 しかし、クレアチニンは、腎機能(糸球体濾過率→参照)が正常の50~75%以下になるまでは上昇しないため、軽度の腎機能障害の判定には適当とはいえず、そのためには次に述べるクレアチニン・クリアランスの検査が必要です。

筋肉の萎縮する病気では低値に

 クレアチニンは、筋肉の病気を調べるときにも検査されます。

 筋肉内で合成されるクレアチニンの量は筋肉の量に比例するため、筋ジストロフィー症などの筋肉の萎縮いしゅくする病気があるときは、低値になります。

男性は女性より高値

 測定法にはいくつかあり、それぞれで基準値若干異なります。本書で提示している酵素法では、酵素の入った試薬と比色計を用いて測定します。

 筋肉量の多い男性は、女性と比べると10~20%高値になり、体格のよい人は当然、高値になります。

 また、年齢が増すごとに糸球体濾過率が低下するため、高値になります。しかし、同時に筋肉量も低下するため、高齢者では腎機能の指標としての血清クレアチニンは、わずかしか上昇しないので、注意が必要です。

 検査当日の飲食は普通にとってかまいません。前日・当日の激しい運動は控えます。

基準値以上のときは繰り返し検査を

 基準値以上のときは繰り返し検査を行い、いつも基準値を超えるような場合は、糸球体濾過率はすでに3分の1~2分の1に低下していると考えられます。

 運動や食事などに気をつけて、脱水・感染・妊娠などの憎悪因子を避けるような日常生活を送る必要があります。

 また、慢性腎疾患では月1~2回測定し、さらに糸球体濾過率を推定するために、クレアチニン・クリアランスを半年ごとに調べるほうがよいでしょう。

疑われるおもな病気などは

◆高値→腎機能障害(腎不全)、肝硬変、降圧薬服用など

◆低値→筋疾患(筋ジストロフィー症)、長期床、妊娠など

医師が使う一般用語
「ニン」=クレアチニンから

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報

栄養・生化学辞典 「クレアチニン」の解説

クレアチニン

 C4H7N3O (mw113.12).

 筋肉に存在するクレアチンが分子内で脱水してできた化合物.尿中へ排泄される.骨格筋の量の指標として利用される.ヒト血液の正常値は0.6〜1.5mg/dl

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

生活習慣病用語辞典 「クレアチニン」の解説

クレアチニン(CRE)

主に腎機能の指標に用いられる検査のこと。クレアチニンとは、筋肉中に含まれるクレアチン (筋肉を動かすときに必要なエネルギー物質) という物質が分解されたときにできる物質のことで、いわばその老廃物です。QUPiOではクレアチニンの値が0.8-1.2mg/dlを正常値としています。

出典 あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)生活習慣病用語辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレアチニン」の意味・わかりやすい解説

クレアチニン
creatinine

化学式 C4H7N3O 。尿,筋肉などに存在する。分子内の酸アミド化合物。クレアチン (アミノ酸の一種) を酸と熱すると生成する。分解点 280~295℃。アルカリによりクレアチンに変る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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