ケチュア族(読み)ケチュアぞく(英語表記)Quechua

翻訳|Quechua

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペルーを中心とする中央アンデス地帯の主として高地に住む先住民。 14世紀にアンデス地帯はインカ帝国によって支配されたが,帝国の公用語がケチュア語であり,中心であったアンデス高地一帯では統一的ケチュア文化が形成された。スペイン人によるインカ帝国征服,植民地支配,大農園アシエンダへの編入などの過程を経て,今日のケチュア族の大半は,土地を失い賃金労働者,小作人などの下層農民となっている。彼らは孤立して住み,親族だけで村をつくることが多く,部外者に対しては警戒心が強い。農業は労働力を交換し合って行い,多種穀物は市場で交換し,また作物と手工芸品を換金する。村の首長は長老たちによって選ばれる。宗教はカトリックと伝統的宗教が混交しており,呪術が重要な役割を果す。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

ペルー・ボリビアを中心とする,アンデス山系の高地一帯に居住する民族
この民族によってインカ帝国が形成されたと考えられている。人口の大半は高度2300mから3000mの山岳地帯に住み,太陽神を崇拝していた。インカ帝国で使用された言語はケチュア語で,スペインからの征服者たちもこの言葉を通してインディオたちと意志疎通をはかった。

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世界大百科事典内のケチュア族の言及

【アメリカ・インディアン】より

…植民地時代において,温暖で肥沃な盆地や谷間を奪われたインディオは,標高3000m以上の急峻な山の斜面や,4000mを超える寒冷な草原,あるいは交通の不便なアンデス東斜面の高いところに,生存の場を求めた。今日,インディオの大部分は,ケチュア族とアイマラ族からなり,前者は主としてペルー,後者はペルーのチチカカ湖岸からボリビア,チリにかけて住む。チチカカ湖上のアシの人工の島の住民はウル族ともよばれるが,本来のウル族の特徴は失われ,アイマラ化している。…

【コカ】より

…現在も,コカの葉をかむ習俗はアマゾン流域の一部および中央アンデスの高地部の原住民社会では一般的で,儀礼の際はもちろん日常的にも利用されている。たとえばペルーやボリビアのケチュア族やアイマラ族は乾燥したコカの葉をかむと,飢えや渇きがいやされ,疲労も回復されると信じており,畑仕事や旅行の際には欠かせないものとなっている。その際,石灰のかたまりをかじって,かんだコカを活性化させるという習慣も一般的である。…

※「ケチュア族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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