日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルハルセン」の意味・わかりやすい解説
ゲルハルセン
げるはるせん
Einar Henry Gerhardsen
(1897―1987)
ノルウェーの政治家。初め道路工夫となり、1919年道路修繕工組合長、1923年労働党書記長を経て、1940年オスロ市長となる。1940年ナチス・ドイツの侵略後、罷免され、レジスタンスでの活動を理由に1942~1944年ドイツの強制収容所に入れられた。1945年祖国解放後オスロ市長、労働党議長となり連立内閣の組閣を一任される。同年10月改めて労働党単独内閣の首相に就任、1951年から一時期同党のトルプと交替するが、1955年首相に復帰。1963年8月不信任決議で辞任したが、同年9月に4選され、1965年まで首相の座にあった。総計17年間首相を務め、選挙法改正(1950)、軍事関係におけるオンブズマン(行政監察官)の導入(1950)、政府の経済指導権の確立など、ノルウェーの戦後改革に貢献した。後年、高税や北部開発政策での失敗について批判を受け、中央党のボルテンを首相とするブルジョア諸政党内閣と交替した。
[大島美穂]