化学辞典 第2版 「コットン-ムートン効果」の解説
コットン-ムートン効果
コットンムートンコウカ
Cotton-Mouton effect
磁気複屈折ともいう.磁場中にある液体は光軸を磁場の方向に向けた結晶と同様に,光の複屈折を起こす.この現象をコットン-ムートン効果または磁気複屈折という.磁場に垂直方向に進む二つの直線偏光(振動電場の方向が磁場方向のものと垂直方向のものとの二つ)の間の位相差Δは,物質中の通過距離をl,磁場の強さをHとすると
Δ = clH2
で与えられる.cは定数で,これを物質の密度で除した値を比磁気屈折率という.この複屈折によって物質の化学構造の相違が推知される.たとえば,ベンゼンの水素をハロゲンで置換すれば比磁気屈折は減少し,ニトロ基,アルデヒド基で置換すればそれは増加する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報