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ゴールドマン・サックス ごーるどまん・さっくす Goldman Sachs

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知恵蔵2015の解説

ゴールドマン・サックス

投資銀行業務を中心とする世界有数の国際金融グループ。本社はニューヨークウォール街。同地に本社を置くモルガン・スタンレーなどと並び、世界金融市場に絶大な影響力を持つ。金融危機の影響で、2008年9月に銀行持ち株会社に移行したが、現在もロンドンフランクフルト、香港など、世界の主要金融都市に現地法人を開き、投資・証券業務の他、M&Aの仲介、各種金融商品の取引から保険・不動産業務まで、広範な金融サービス事業を展開している。日本への進出は1974年で、東京に駐在員事務所を開設。現在、日本法人の本社は、六本木ヒルズタワー内にある。
「名門」としての歴史は古く、1869年にドイツ出身のユダヤ系移民マーカス・ゴールドマンが、ニューヨークで手形仲介業を起こしたのが始まり。当初は、手形割引金貸しを営んでいたが、1882年に娘婿のサム・サックスを招いて、ゴールドマン・サックス社を設立し、事業を拡大した。パートナーシップ経営の下、20世紀初頭にかけて、証券業から投資業へと手を広げ、米国の躍進と足並みをそろえるように成長を遂げた。その後、世界恐慌インサイダー取引疑惑などで幾度となく経営危機に見舞われたが、「ミスター・ウォール街」ことシドニー・ワインバーグ(39年間シニアパートナーとして君臨)や息子ジョン・ワインバーグら歴代の経営者は、政財界の影の後押しを受けながら乗り切ってきた。かつて米財務長官を務めたロバート・ルービンやヘンリー・ポールソンも、同社の出身である。2008年のリーマン・ショックに端を発した金融危機からの回復も早く、09年の4~6月期、10~12月期には過去最高の収益を上げた。
しかし10年4月、米証券取引委員会(SEC)が同社を詐欺の疑いで訴追。同月の米議会でも大きく取り上げられた。SECが問題としたのは、07年に同社がサブプライム・ローンを組み入れた債務担保証券(CDO)「アバカス」を販売した際、顧客にジョン・ポールソン氏が運営するヘッジファンドとの共同開発商品であることを隠した点にある。ポールソン氏は、サブプライム・ローンの破綻(はたん)を確実視していたと見られ、実際にゴールドマン・サックスから「アバカス」損失の際に保険金を得られるという金融商品(CDS)を購入していた。同氏がもうけた額は、サブプライムの破綻で被った機関投資家の損失額、約10億ドル(940億円)に相当すると見られている。ゴールドマン・サックスは、正当な商行為であり、自社も巨額の損失を出したとして、詐欺行為を否定しているが、米議会やマスコミからは、こうした複雑で不透明な取引が金融危機を拡大させたとして、激しいバッシングを受けている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2010年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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