花王(読み)カオウ

デジタル大辞泉 「花王」の意味・読み・例文・類語

か‐おう〔クワワウ〕【花王】

花の中で最も美しいもの。ボタンをいう。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「花王」の意味・読み・例文・類語

か‐おうクヮワウ【花王】

  1. 〘 名詞 〙 花の中で最もすぐれたもの。特に、牡丹(ぼたん)をいう。
    1. [初出の実例]「本体の花王と云は、牡丹也。小花王と云は、芙蓉也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)中)
    2. 「ふかみ草〈略〉牡丹 冨貴草 花王」(出典:俳諧・増山の井(1663)四月)
    3. [その他の文献]〔洛陽名園記〕

花王の補助注記

「書言字考節用集‐六」の「桜」の項に、「桜 サクラ 支那以牡丹花ノ王。日本以桜為花ノ王」とあるように、日本では桜をいうこともある。


け‐おう‥ワウ【花王】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「け」は「花」の呉音 ) 仏語。仏または仏土の異称。〔仏地経論‐二〕

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改訂新版 世界大百科事典 「花王」の意味・わかりやすい解説

花王[株] (かおう)

日本最大のセッケン洗剤メーカー。1887年長瀬富郎により洋物店長瀬商店として個人創業されたことに始まる。それまで良質な化粧セッケンは外国品に独占されていたが,90年〈花王石鹼〉の販売を開始。明治末期には,セッケンメーカーの大手に成長した。1911年合資会社長瀬商会に改組,続いて25年,同年設立の花王石鹼(株)長瀬商会に合併して改組された。28年食用油脂エコナを,31年大量生産によるコストダウンを果たした新装花王石鹼を,32年花王シャンプーを,34年粒状洗濯セッケン(日本で最初ビーズを,38年合成洗剤エキセリンを,相次いで発売,日本のセッケン・洗剤業界をリードした。この間,原料の安定確保を図るため,1934年硬化油の生産を開始し,輸入牛脂から魚油の硬化油への原料転換を図るとともに,精密油脂化学分野へ進出した。また,35年大日本油脂(株)を設立,40年潤滑油等を生産する日本有機(株)を設立した。第2次大戦後,長瀬商会は前記2社に対する持株会社立場を放棄し,3社は独立して新発足,54年花王石鹼(日本有機が1949年改称)が花王油脂(大日本油脂と(株)花王(長瀬商会が改称)の合併会社)を合併して事業の一元化が達成された。その後,合成洗剤を中心として事業は拡大基調をたどってきたが,近年は歯磨き,化粧品,生理用品の分野に進出するなど多角化を図っている。85年社名を花王に変更した。資本金854億円(2005年9月),売上高9369億円(2005年3月期)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花王」の意味・わかりやすい解説

花王
かおう

石鹸・洗剤のトップメーカー。 1887年創業の長瀬富郎商店が前身で,1925年花王石鹸株式会社長瀬商会 (1946年花王と改称) に改組。 35年同系の大日本油脂を分離設立。 40年さらに鉄興社と共同出資して日本有機を設立し,49年花王石鹸と改称,同年大日本油脂は花王を合併して花王油脂と改称,54年花王石鹸は花王油脂を合併,85年現社名に変更。 86年花王化学を吸収合併,88年アメリカのアンドリュー・ジャーゲンズ・カンパニー買収,89年西ドイツのゴールドウェル・アーゲーを買収。月のマークで知られ,日本のマーケティングの草分け的存在で,昭和 30年代以後の電気洗濯機の普及とともに合成洗剤メーカーとして発展,ライオンと並んでトップメーカーの位置を占める。化粧品部門も好調な伸びをみせる。また「花王製品販売会社」の各地設立で販売体制を強化している。海外進出も積極的に展開するほか,外国企業とも提携を結び,合弁会社を多数もつ。売上構成比は,パーソナルケア 37%,ハウスホールド 38%,サニタリー 13%,油脂製品4%,化成品8%。年間売上高 9245億 9500万円 (連結。うち輸出3%) ,資本金 838億 8700万円,従業員数 6754名 (1999) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花王」の意味・わかりやすい解説

花王(株)
かおう

せっけん・洗剤その他の油脂製品、化学品などの大手メーカー。1887年(明治20)長瀬富郎(とみろう)(1863―1911)が東京・日本橋馬喰(ばくろ)町に洋小間物商長瀬富郎商会として創業。苦心のすえ1890年に外国製品に劣らぬ品質のせっけん製造に成功、「花王石鹸」として発売した。1911年(明治44)合資会社、25年(大正14)花王石鹸株式会社長瀬商会に改組。1935年(昭和10)大日本油脂、40年日本有機を設立、第二次世界大戦中は台湾、中国東北にも進出。1954年(昭和29)前記2社を合併して花王石鹸、さらに85年花王に社名変更した。多くの新製品を開発、1982年には化粧品に進出するなど、家庭向け製品も多様化させ、また85年にはメディア関連事業に参入した(1998年撤退)。2006年(平成18)カネボウ化粧品を子会社化。資本金854億円(2008)、売上高1兆3185億円(2008。連結ベース)。和歌山工場など8工場と3研究所、子会社および関連会社は国内、海外あわせて54を数える。

[森 真澄]

『日本経営史研究所・花王株式会社社史編纂室編纂『花王史100年 1890~1990年』(1993・花王)』

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百科事典マイペディア 「花王」の意味・わかりやすい解説

花王[株]【かおう】

1887年創業の長瀬商店を始まりとする。花王の商標はそれ以来のもの。第2次大戦後いち早く合成洗剤を手がけ,セッケン・洗剤・洗濯仕上剤で全国首位。化粧品や工業用の油脂製品,可塑剤なども生産する。業界ではその高度な商品開発,流通戦略で名高い。最近は中国を中心にアジア進出を加速している。2006年カネボウ化粧品を買収。本社東京,工場和歌山ほか。2011年資本金854億円,2011年3月期売上高1兆1868億円。売上構成(%)は,ビューティケア45,ヒューマンヘルスケア15,ファブリック&ホームケア23,ケミカル17。海外売上比率26%。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「花王」の解説

花王

正式社名「花王株式会社」。英文社名「Kao Corporation」。化学工業。明治40年(1907)前身の「長瀬富郎商店」創業。昭和15年(1940)「日本有機株式会社」設立。同24年(1949)「花王石鹸株式会社」に改称。同60年(1985)現在の社名に変更。本社は東京都中央区日本橋茅場町。日用品・化粧品会社。洗剤など家庭用品の最大手。食用油「エコナ」や飲料「ヘルシア」など健康食品も手がける。カネボウ化粧品を子会社化し化粧品でも高いシェア。東京証券取引所第1部上場。証券コード4452。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「花王」の解説

花王 (ハナノオウ・カオウ)

植物。ボタン科の落葉低木,園芸植物,薬用植物。ボタンの別称

花王 (ハナノオウ)

植物。バラ科サクラ属の落葉高木の総称。サクラの別称

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世界大百科事典(旧版)内の花王の言及

【ボタン(牡丹)】より

…遅咲品種に金帝(きんてい)(レエスペランスともいう,黄一重),金晃(きんこう)(アリス・ハーディングともいう,黄万重)などがある。【萩屋 薫】
【牡丹と文化】

[中国]
 牡丹は,中国を代表する花として,花王,花神,富貴花など多くの別称をもつ。宋代の洛陽では花といえば牡丹をさした。…

※「花王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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