「書言字考節用集‐六」の「桜」の項に、「桜 サクラ 支那以二牡丹一為二花ノ王一。日本以レ桜為二花ノ王一」とあるように、日本では桜をいうこともある。
日本最大のセッケン・洗剤メーカー。1887年長瀬富郎により洋物店長瀬商店として個人創業されたことに始まる。それまで良質な化粧セッケンは外国品に独占されていたが,90年〈花王石鹼〉の販売を開始。明治末期には,セッケンメーカーの大手に成長した。1911年合資会社長瀬商会に改組,続いて25年,同年設立の花王石鹼(株)長瀬商会に合併して改組された。28年食用油脂エコナを,31年大量生産によるコストダウンを果たした新装花王石鹼を,32年花王シャンプーを,34年粒状洗濯セッケン(日本で最初)ビーズを,38年合成洗剤エキセリンを,相次いで発売,日本のセッケン・洗剤業界をリードした。この間,原料の安定確保を図るため,1934年硬化油の生産を開始し,輸入牛脂から魚油の硬化油への原料転換を図るとともに,精密油脂化学分野へ進出した。また,35年大日本油脂(株)を設立,40年潤滑油等を生産する日本有機(株)を設立した。第2次大戦後,長瀬商会は前記2社に対する持株会社の立場を放棄し,3社は独立して新発足,54年花王石鹼(日本有機が1949年改称)が花王油脂(大日本油脂と(株)花王(長瀬商会が改称)の合併会社)を合併して事業の一元化が達成された。その後,合成洗剤を中心として事業は拡大基調をたどってきたが,近年は歯磨き,化粧品,生理用品の分野に進出するなど多角化を図っている。85年社名を花王に変更した。資本金854億円(2005年9月),売上高9369億円(2005年3月期)。
執筆者:北井 義久
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せっけん・洗剤その他の油脂製品、化学品などの大手メーカー。1887年(明治20)長瀬富郎(とみろう)(1863―1911)が東京・日本橋馬喰(ばくろ)町に洋小間物商長瀬富郎商会として創業。苦心のすえ1890年に外国製品に劣らぬ品質のせっけん製造に成功、「花王石鹸」として発売した。1911年(明治44)合資会社、25年(大正14)花王石鹸株式会社長瀬商会に改組。1935年(昭和10)大日本油脂、40年日本有機を設立、第二次世界大戦中は台湾、中国東北にも進出。1954年(昭和29)前記2社を合併して花王石鹸、さらに85年花王に社名変更した。多くの新製品を開発、1982年には化粧品に進出するなど、家庭向け製品も多様化させ、また85年にはメディア関連事業に参入した(1998年撤退)。2006年(平成18)カネボウ化粧品を子会社化。資本金854億円(2008)、売上高1兆3185億円(2008。連結ベース)。和歌山工場など8工場と3研究所、子会社および関連会社は国内、海外あわせて54を数える。
[森 真澄]
『日本経営史研究所・花王株式会社社史編纂室編纂『花王史100年 1890~1990年』(1993・花王)』
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…遅咲品種に金帝(きんてい)(レエスペランスともいう,黄一重),金晃(きんこう)(アリス・ハーディングともいう,黄万重)などがある。【萩屋 薫】
【牡丹と文化】
[中国]
牡丹は,中国を代表する花として,花王,花神,富貴花など多くの別称をもつ。宋代の洛陽では花といえば牡丹をさした。…
※「花王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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