日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サイクラミン酸ナトリウム
さいくらみんさんなとりうむ
sodium cyclohexylsulfamate
シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウム、通称チクロともいう。1939年アメリカのイリノイ大学のスベーダMichael Sveda(1912―99)によって発見された化合物。甘味料として用いることができるとされたのは1944年で、日本では56年(昭和31)に食品添加物として指定された。甘味度は砂糖の40~50倍。味が砂糖に近く穏やかであるため一時各国で使用が許された。その後、64年に日本でマウスでの胎児の発育阻害が発表され、また68年にアメリカでは催奇形性の危険があるという発表があり、使用が禁止された。日本でも69年の11月から使用が禁止された。
[河野友美・山口米子]