改訂新版 世界大百科事典 「シティコープ会社」の意味・わかりやすい解説
シティコープ[会社]
Citicorp
バンク・オブ・アメリカ(その持株会社はバンカメリカ)と並ぶ,アメリカにある世界最大級の商業銀行シティバンクCitibankの持株会社。本社ニューヨーク。1967年に持株会社First National City Corporationとして設立され,74年に現社名となる。98年4月,トラベラーズ・グループTravelers Inc.(1968年設立,総合金融サービス会社)との合併を発表,新会社シティグループCitigroup Inc.は世界最大級の金融機関となった。
シティバンクは1812年,州法銀行のCity Bank of New Yorkとしてニューヨークに設立された。65年国法銀行に転換し,1915年にはInternational Banking Corporationを吸収合併,55年にはFirst National Bank of the City of New Yorkと合併するなどして業容を拡大した。名称も何度か変更し,ファースト・ナショナル・シティ・バンクから現在のシティバンクとなったのは76年のことである。
シティバンクの業務のなかでは,とくに国際業務の比重が高く,82年の総収益の61%が北アメリカ以外の地域から得たものである。1978年には,世界的なリテイル(小口客向)業務展開を進めるという長期計画を打ち出し,クレジット・カード,住宅抵当貸付けなどに力を入れる一方,個人客向けサービスの機械化を積極的に行っている。またCD(譲渡性預金),変動ベースレート制貸出しなどを他の銀行に先駆けて導入している。なかでもCDは銀行の新しい資金調達手段として革命的なものであった。シティグループは100ヵ国・地域で営業している。総収入1083億ドル(2004年12月期)。
執筆者:市丸 新平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報