シュナーベル(Artur Schnabel)(読み)しゅなーべる(英語表記)Artur Schnabel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シュナーベル(Artur Schnabel)
しゅなーべる
Artur Schnabel
(1882―1951)

オーストリアのピアノ奏者で、20世紀最高のベートーベン演奏家の一人として名声を博した。リプニクに生まれ、9歳でウィーンの名教師レシェティツキに師事し、急速に上達、晩年ブラームスにその才能を注目された。1900年ベルリンに移り、独奏のほか室内楽でも活躍、室内楽ではバイオリンカール・フレッシュとの二重奏が評判になった。25年ベルリン音楽大学教授に就任、多くの後進を育てたが、33年ナチスを避けスイス、ついでニューヨークに移住。スイスのアクセンシュタインで没。ベートーベンのほか、シューベルト、ブラームスの解釈で名をなし、欧米各地で演奏を続け、技巧的な弱点を指摘されながらも、音楽を深いところで把握した風格のある表現で聴衆を魅了した。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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