日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュルツ(Henry Schultz)
しゅるつ
Henry Schultz
(1893―1938)
アメリカの計量経済学者。ポーランドに生まれる。アメリカに渡り、ニューヨーク大学を卒業後コロンビア大学大学院に進み、ムーア教授に師事した。初めワルラスやパレートの学説を研究したが、やがて彼らが理論的に定立した需要や消費の関数を統計的に分析することに主題を移し、砂糖、トウモロコシなど諸種の商品について測定を行った。その集大成が大著『需要の理論と測定』The Theory and Measurement of Demand(1938)である。彼はこれらの分析にトレンド計算などを用いているが、それは経済理論と統計的方法との新しい結合であり、その点において師ムーアとともに初期計量経済学の創始者と評価されている。
[木村太郎]
『杉本栄一著『近代経済学の解明 下』(岩波文庫)』
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