シンコム(その他表記)Syncom; synchronous communication satellite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンコム」の意味・わかりやすい解説

シンコム
Syncom; synchronous communication satellite

アメリカ合衆国の通信用静止衛星のシリーズ。『シンコム』1号は 1963年2月に打ち上げられたが,無線機の故障失敗。1963年7月に打ち上げられた『シンコム』2号は,近地点 3万5775km,遠地点 3万5890km,周期 23時間56分で,完全な静止軌道には乗れず,南大西洋上空で 8の字形に移動した。続いて 1964年8月に『シンコム』3号が打ち上げられ,太平洋の赤道日付変更線との交点の上空で静止衛星となり,1964年10月の東京オリンピック競技大会模様テレビジョンで初めてアメリカ,ヨーロッパに生中継した。シンコム・シリーズの成果は実用静止通信衛星に引き継がれた。(→通信衛星

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世界大百科事典(旧版)内のシンコムの言及

【衛星通信】より

…静止衛星は,赤道上3万5900kmの高度で,東向きに,24時間の周回周期で飛んでいる人工衛星であり,周回速度が地球の自転速度に同期しているので地表から見ると静止している。衛星通信の始まりは,1960年アメリカのエコー衛星による受動中継実験であり,63年静止衛星シンコムが打ち上げられるに及び,実用化への道が開かれた。日本においては,63年11月,日米間テレビ中継が中高度衛星リレーを介して行われたのが最初であり,このとき,ケネディ大統領暗殺のニュースが伝えられた。…

※「シンコム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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