ジェームズタウン(アメリカ合衆国)(読み)じぇーむずたうん(英語表記)Jamestown

翻訳|Jamestown

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ジェームズタウン(アメリカ合衆国)
じぇーむずたうん
Jamestown

アメリカ合衆国、バージニア州東部にある史跡。1732年までに北アメリカ大西洋岸に建設されたイギリス領13植民地最古の開拓地。ジェームズ川の河口左岸の半島上にあったが、現在は島で、17世紀の町並みが復原された国立植民地歴史公園となっている。

 ロンドン・バージニア会社派遣の移住者「18人の良家の人々と87人のその他大ぜい」が、1607年5月に上陸し、1エーカー余りの土地を囲んで草と泥の小屋を建てたのに始まる。最初から移住者間に不和が生じ、マラリア赤痢、食糧不足によって人口は激減し、10年にはいったん植民地が放棄されたが、ジェームズ河口で本国からの増援船にあい、かろうじて救われたこともあった。先住民(アメリカ・インディアン)からトウモロコシや肉の補給を受けたり、ジョン・ロルフがタバコ栽培を教わって換金作物をみいだすなど恩恵を受けたが、移住者の略奪的、敵対的態度のため、先住民による「1622年の大虐殺」や1644年の大蜂起(ほうき)を招いた。1612年のタバコ栽培の開始により最盛期を迎え、16年には人口は351人、以後急速に発展した。19年アメリカ最初の立法議会が招集されると同時に20人の黒人サーバントも導入されている。76年ベーコンの反乱で町は灰燼(かいじん)に帰し、復興後、98年に再度大火にあった。そのため議会政庁は北東約10キロメートルのミドル・プランテーション(ウィリアムズバーグ)に移された。

[池本幸三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android