ジャムのミナレットと考古遺跡群(読み)ジャムのミナレットとこうこいせきぐん

世界遺産詳解 の解説

ジャムのミナレットとこうこいせきぐん【ジャムのミナレットと考古遺跡群】

2002年に登録された世界遺産(文化遺産)で、アフガニスタンの北西部、首都カブール西方のゴール州シャーラク地方に位置する。ハリ・ルド川とジャム・ルド川の合流点のほとりの渓谷に建っているミナレット尖塔)は、ゴール朝のスルタン君主)が12世紀に築いたといわれ、65mの高さは世界第2位。このミナレットは装飾文化の代表的なもので、八角形の土台の上に建ち、幾何学文様、最上部の青タイルの銘、レンガ造り、クーフィー体アラビア文字によるコーランの刻印装飾が特徴。ゴール朝の貴重な装飾が残されていることから、世界遺産に登録された。なお、世界第1位の高さのミナレットはインドのクトゥブ・ミナール(72.5m)で、ジャムのミナレットをモデルにしたという。世界遺産登録の前の武力紛争、不法発掘、河川からの浸水などによって遺跡損傷が激しく、2002年の文化遺産登録時には同時に危機遺産リストにも登録された。 ◇英名はMinaret and Archaeological Remains of Jam

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android