改訂新版 世界大百科事典 「ジロンド川」の意味・わかりやすい解説
ジロンド[川]
Estuaire de la Gironde
フランス南西部,ガロンヌ川の下流部をなす河口入江。ドルドーニュ川との合流点ベク・ダンベス付近から河口まで約75km,幅は最大10km,河口部で4.5kmの狭い入江である。底質は砂質で一部泥質の部分があるが,浚渫により,ガロンヌ川にあるボルドー港まで喫水8.5mの船が通航できる。ボルドーは湾口から約100kmの所にあり,さらに約75km上流まで感潮部である。両岸ではブドウが広く栽培され,左岸のメドック地方,右岸のブレイエ地方,サントンジュ地方はブドウ酒の産地である。低湿地は土地改良により牧場,野菜畑となっている。河口左岸側はグラーブ岬で灯台があり,その近くのベルドンに大石油港がある。河口右岸側のロアイヤン市は付近の観光の中心地である。またベク・ダンベスやポーイヤックには精油所があり,近年沿岸の工業化が進んでいる。
執筆者:細井 将右
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報