改訂新版 世界大百科事典 「ドルドーニュ川」の意味・わかりやすい解説
ドルドーニュ[川]
La Dordogne
フランス南西部の川。全長約500km。マシフ・サントラル北部の火山モン・ドールに源を発し,オーベルニュの高原を深く刻んで峡谷をつくりながら南西流したのち,西へ転じてアキテーヌ盆地を横切り,ボルドーの北でガロンヌ川と合してジロンド川に注ぐ。河口周辺はボルドー・ワインの主産地として有名。戯曲《シラノ・ド・ベルジュラック》で名高い商・産業の中心都市ベルジュラックBergeracまで航行可能。上流の峡谷地帯はエーグル・ダムをはじめ,巨大なダムが多く水力発電が盛んである。石灰岩地帯を流れるため,支流のベゼール川沿いのラスコーなど中流部には先史遺跡をもつ洞窟が多い。渓谷美もすぐれ,中世の町並みを残すサルラSarlatは観光の中心。支流のイールIsle川はペリゴール地方北部の中心都市ペリグーを通って流れ,周辺はクルミやトリュフ栽培で知られる。
執筆者:小野 有五
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報