皮膚は外界との接点であり、汗や洗剤、紫外線などの物理的・化学的刺激や細菌・ウイルスなどの微生物などに常にさらされています。
スキンケアは、皮膚についた汗やほこりなどの汚れを落として無用な刺激を減らし(清潔のスキンケア)、角質層の油分と水分を補うことによってこれらの刺激に対する防御のはたらきのあるうるおい肌を保つ(乾燥のスキンケア)ために、皮膚炎のある人だけでなく健康な人にも必要です。
清潔のスキンケアは、入浴と石鹸やシャンプーなどによる洗浄が基本です。
ナイロンタオルなどでごしごし洗うと皮膚を傷めるので、普通の石鹸を手のひらで泡立てて、その泡で優しく洗うようにします。どうしても普通の石鹸やシャンプーでは皮膚が荒れる場合には、低刺激性のものを試してみるのもよいでしょう。
一方で、入浴や洗浄は皮脂を減らして乾燥肌を招くことがあるため、とくに空気が乾燥しやすい季節には乾燥のスキンケアにも心配りが必要になります。長湯や熱い湯は皮脂の過度の減少とともに血のめぐりが良くなってかゆみが増すことが多いので、避けるようにします。保湿作用のある入浴剤には、補助的な効果が期待できます。そして、入浴後すぐにワセリンやベビーオイルのような油分を薄く塗り、石鹸で洗い流した油分を補って水分の蒸発を防ぐようにします。べとべとした塗り心地が気になる場合は、保湿剤を添加したクリームやローションを塗るとよいでしょう。顔の乾燥肌が気になる人は、朝の洗顔後にも保湿剤や化粧品で水分と油分を補給します。
また、柔らかい木綿のように肌に優しい素材の衣服を着るよう心がける、紫外線の強い季節・時間帯に外出する時には日焼け止めを塗る、暖房をかけすぎないようにする、こまめに部屋の掃除をするなど、日常の暮らしのなかで皮膚への刺激を減らして清潔と乾燥に気を配ることも、スキンケアのひとつとして大切です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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