スポレト(その他表記)Spoleto

改訂新版 世界大百科事典 「スポレト」の意味・わかりやすい解説

スポレト
Spoleto

イタリア中部,ウンブリア州の都市。人口3万8030(1990)。ルーコ山の中腹,標高317mに広がる町。農業,綿織物,製麵を産業としている。1958年に始まった〈二つの世界のフェスティバル〉は世界的に有名な音楽・演劇祭である。前7~前6世紀にウンブリア人が建設した町で,ローマの植民地になり,当時の遺構が残っている。ランゴバルド族のイタリア侵入により,6世紀後半にスポレト公国が建国された。周囲のオルテ,アメリア,ナルニ,テルニなどの都市を攻め,建国からわずか数十年後,アリウルフォ公の下に,スポレトの領土は最大になった。イタリア南部に建設されたベネベント公国と半島支配を二分したが,8世紀中ごろから力を失いはじめ,1230年,教会の統治下に置かれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スポレト」の意味・わかりやすい解説

スポレト
Spoleto

イタリア中部,ウンブリア州ペルジャ県,アペニン山脈西麓にある都市。ローマの北北東約 100km,中央高原の南端に位置する。前7世紀にエトルリア人によって開かれ,前 241年ローマ領となり,前 217年ハンニバルを撃退した。ローマ帝国の大動脈フラミニア街道上の戦略的重要性から繁栄し,中世にはロンバルディア地方のスポレト公国の中心地,またイタリア最重要の都市の一つとして栄えた。古代ローマの広場,円形劇場など遺跡が多く,フレスコ画が美しい中世の聖堂や町並みが残る。豊かな農業地帯 (オリーブ) の集散地であるとともに,綿織物,皮革製品,食品などの軽工業が発達している。 1958年以来毎年「両世界フェスティバル」 (音楽,演劇,舞踊) が開かれ,数多くの観客を集めている。人口3万 7057 (1991推計) 。

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