デジタル大辞泉
「スーパーコンピューター」の意味・読み・例文・類語
スーパーコンピューター(supercomputer)
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スーパーコンピューター
大規模な数値演算を超高速に処理するための大型コンピューター。略して「スパコン」とも呼ばれる。気象予測、天文学、化学計算、物理シミュレーションなどの高度な分野での計算に利用されている。計算処理の高速化を図るため、パイプライン処理、ベクトル演算プロセッサーなど特殊なハードウェアを装備し、プログラム上の工夫としてパラレル処理や自動ベクトル化機構などをもつ。また、使用する素子も通常のコンピューターでは使用されないガリウムヒ素半導体を用いている。高速化に伴う発熱量が多いため、冷却機構に液体を使うなど、一般のコンピューターにはない工夫がなされている。一般的に、スーパーコンピューターの性能を表すには、1秒間に実行できる浮動小数点演算数を使い、単位はフロップス(FLOPS)である。日本のスーパーコンピューターとしては、東京大学に設置されている「T2Kオープンスパコン東大版」や海洋研究開発機構の「地球シミュレーター」などがある。T2Kオープンスパコン東大版は、最大理論性能で140テラフロップスを実現、地球シミュレーターは、最大理論性能131テラフロップスを実現している。次世代のマシンとしては、アメリカのIBM製スーパーコンピューターが2011年に20ペタフロップス(PFLOPS、1秒間に10の15乗回の浮動小数点演算ができる)を目標に開発を進めている。
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スーパーコンピューター【supercomputer】
一般のコンピューターに比べて、桁違いに演算速度が速いコンピューターの総称。大規模な数値解析を行ったり膨大なデータを取り扱ったりする科学技術分野の計算に用いられる。2009年におけるスーパーコンピューターの最高演算速度は1PFLOPS(フロップス)を超えている。◇コンピューターの分野では「スーパーコンピュータ」ということが多い。略して「スパコン」ともいう。また、高性能コンピューティングの意の「high performance computing」から「HPCサーバー」ともいう。
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百科事典マイペディア
「スーパーコンピューター」の意味・わかりやすい解説
スーパーコンピューター
科学技術計算を高速演算で処理するコンピューター。ベクトル計算専用の機構(ベクトル・プロセッサー)を備えたベクトル型,スカラー・プロセッサーを並列につなげたパラレル型,ベクトル・プロセッサーを並列させたベクトル/パラレル型などがある。その用途は航空・宇宙,天文学,構造解析,流体解析,気象分析,コンピューター・シミュレーションなど幅広く,現代社会をシステムとして考えたとき,欠くことのできないものとなっている。
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知恵蔵
「スーパーコンピューター」の解説
スーパーコンピューター
通常の汎用コンピューターより計算処理が桁違いに速いコンピューターで、多くは科学技術計算を目的とする超高速コンピューター。汎用性や経済性を多少犠牲にしても、規則性のある行列計算や粒子の運動の計算などを高速に処理する。数学的なベクトルに対して自動車の組立ラインのように処理を順次行うパイプライン処理、データの処理が可能になった時点で演算処理を開始するデータフロー処理、多くのプロセッサーを並列に分散配置し仕事を分担して同時に計算する並列処理、などの方式を採用する。
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世界大百科事典(旧版)内のスーパーコンピューターの言及
【コンピューター】より
…さらに腕時計や指輪程度の大きさになると,体に着用できるという意味で,ウェアラブルコンピューターと呼ぶ。 時代の先端を行く数値演算性能を実現しているコンピューターをスーパーコンピューター(スパコン)と呼ぶ。当然,並列コンピューターであり,サイズは大きくなるが,それとて年々小さくなってきている。…
※「スーパーコンピューター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」