セミキノン

化学辞典 第2版 「セミキノン」の解説

セミキノン
セミキノン
semiquinone

ヒドロキノン類とキノン類の中間酸化段階にある遊離基.たとえば,ヒドロキノンがアルカリ性水溶液中で空気酸化されるときに(a)が中間生成物として生じる.多数の極限構造式が書け,電荷および不対電子は非局在化している.比較的安定な遊離基で,一般に可視部に吸収をもつ.p-フェニレンジアミン類の酸化においても,その一電子酸化によって不対電子をもつ中間体(たとえば(b))を生じる.これをセミキノン中間体とよぶ.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セミキノン」の意味・わかりやすい解説

セミキノン
semiquinone

キノンとヒドロキノンの可逆的酸化還元反応の中間体として電子1個の授受によって生じる遊離基で,比較的安定である。可視部に特有の吸収帯をもっており,また酸化還元滴定磁性などの測定によってその存在が確かめられている。 p- フェニレンジアミンの一電子酸化による酸化中間体もセミキノンと呼ばれる。

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