改訂新版 世界大百科事典 「ゼブリナ」の意味・わかりやすい解説
ゼブリナ
wandering Jew
Zebrina pendula Schnizl.
温室で栽植されるツユクサ科の常緑多年草。ハカタカラクサとも呼ばれ,明治中ごろに渡来した。挿木繁殖が容易で,温室の棚下などでもよく育ち,生長も早く,夏のつり鉢物として人気があり,普及してきた。葉は長さ6~8cmの長卵形で,葉の表は紫褐色に銀白色の太い縞が2本入り,裏は濃紫紅色となる。日陰でもよく育つが強光にも耐えるので,夏は花壇にも利用できる。園芸品種のディスカラーcv.Discolorは銀白色の縞が不明りょうで銅緑色となる。クアドリカラーcv.Quadricolorは濃緑色地に白,ピンク,黄白色の縞斑(しまふ)が入り美しいが,斑の美しい枝を選抜していかないと普通の緑葉ばかりになってしまう。ゼブリナ属Zebrinaは中央アメリカを中心に4種ほどある。トラデスカンティア属と混同されやすいが,花は基部が合着し筒状になるので区別される。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報