コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ソレー効果 ソレーこうかSoret effect

岩石学辞典の解説

ソレー効果

希薄溶液内で温度が点から点に変化するならば,溶質(solute)の濃度も同様に変化し,濃度がどこでも絶対温度に比例する場合にのみ平衡状態となる[Soret : 1888].溶液に温度勾配を与えて放置しておくと一般には濃度勾配を生じ,特定の成分がより高温側に拡散し濃縮される.この効果を熱拡散(thermal diffusion)あるいは,この現象を発見したルードヴィヒおよび後に独立に確認したソレーの名をとってルードヴィヒ・ソレー効果あるいはソレー効果と呼んでいる[Ludwig : 1856, Soret : 1889, 1881].
温度勾配による濃度勾配が生じると濃度拡散が起こる.濃度拡散と温度勾配によるソレー効果とが平衡状態に達する場合には拡散平衡となる.またソレー効果と,温度勾配を解消する方向に物質が移動する対流とは相反する効果で,物質は逆方向に移動して拡散平衡の状態に達する.しかしマグマの内部で拡散が行われて平衡状態となるためには静穏であることが必要であって,実際のマグマ内部が静穏で対流が全くないことは困難であり,ソレー効果がマグマの分化作用で重要な働きをすることはない.ティールが岩石学にソレー効果を応用し,ボーエンがソレー効果に触れている[Teall : 1888, Bowen : 1921].
その後ワールとバートがプリビロフ(Pribilof)島の変成作用でソレー効果を扱った例がある[Wahl : 1946, Barth : 1952].大洋中央海嶺玄武岩マグマにソレー効果による分離が認められたという考えがあるが,これには反対意見がある[Walker & DeLong : 1982, 1984, Elthon & Casey : 1984].

出典|朝倉書店岩石学辞典について | 情報