タニス(その他表記)Tanis

デジタル大辞泉 「タニス」の意味・読み・例文・類語

タニス(Tanis)

エジプト北部、ナイル川河口のデルタ地帯にあった古代エジプト時代の都市。現在のサーン‐イル‐ハガルにあたる。セト信仰の中心地として栄えた。第二中間期に異民族のヒクソスが侵入し、首都を置いた。末期王朝時代に建造されたアモン神殿や王墓が残っている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タニス」の意味・わかりやすい解説

タニス
Tanis

エジプトのナイルデルタ地帯北東部にあった古代都市。現 Sān al-Hajar al-Qiblī-yah。旧約聖書ではゾアンと呼ばれる。古代の下エジプト第 19ノモスの都市で,第 21王朝時代の前 1085年頃には古代エジプトの首都となった (→タニス朝 ) 。前 1720年頃エジプトを支配したヒクソスの拠点アバリスあるいはラムセス2世 (在位前 1304~1237) によって再建されたペルラメスと同一視する見解もある。東方の商業都市ペルシウムの勃興により,徐々に衰退した。巨大な遺跡が現存し,数次にわたって発掘されたが,大部分はまだ土砂の下にうずまっている。出土品は古王国時代までさかのぼるが,第 12,13王朝の彫像やスフィンクス,ラムセス2世の巨像オベリスク,末期王朝時代のアモン神殿,アンタ神殿,それに第 21,22王朝の未盗掘の王墓などが注目される。特に王墓のうち第 21王朝のプスセンネス1世,第 22王朝のオソルコン2世,シェションク3世の墓からは王のミイラ,銀の棺,黄金のマスクや各種の装身具類が発見され重要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む