タンブーラ(その他表記)tambūra

デジタル大辞泉 「タンブーラ」の意味・読み・例文・類語

タンブーラ(tambura)

インドの主に古典音楽伴奏に用いられる撥弦はつげん楽器木製またはひさご製の胴と長くて比較的太いさおからなる。ドローンとして常に開放弦が奏される。→ドローン

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改訂新版 世界大百科事典 「タンブーラ」の意味・わかりやすい解説

タンブーラ
tambūra

インドの弦楽器。タンプーラtampūraとも呼ばれる。古典音楽の伴奏楽器として用いられている。木製またはふくべ製の胴にフレットなしの長い棹がつき,通常,弦の数は4本で旋律を作る上で基盤となる7音のうちの主音のサとその5度上のパの音に調弦し,指で順番に弦をはじいて,とぎれることなく鳴らし続ける。このドローン(持続音)はインド音楽に不可欠のもので,奏法は比較的簡単であるが,主奏者につねに正しい音程を与えることを任務とするので,狂いやすい調弦には絶えず気を使わなければならない。駒のところに糸をはさみ,ジワーンという余韻豊かな響きを作る。南北で大きく様式の異なるインド古典音楽の中で,タンブーラだけは南北共通して使われる楽器であるが,大きさ,材質などに違いが見られ,南のタンブーラは北に比べて地味な音色をもっている。今日では持運びに便利なハルモニウムがタンブーラの代用になることもあり,インドではスルティ・ボックスと呼ばれている。
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百科事典マイペディア 「タンブーラ」の意味・わかりやすい解説

タンブーラ

インドのリュート属撥弦楽器。タンプーラとも。インド音楽に不可欠なドローン(持続音)用の楽器。通常金属弦4本を1度と5度に調弦し,指でとぎれることなく鳴らし続ける。駒のところに糸をはさみ,余韻豊かな独特の響きを作る。南北共通して用いられる楽器であるが,大きさ,材質などに違いがあり,南のタンブーラは北に比べて音色が地味。今日では持運びに便利なハルモニウムやシュルティ・ボックスで代用されることもある。

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世界大百科事典(旧版)内のタンブーラの言及

【アフガニスタン】より

…正式名称=アフガニスタン・イスラム国Dowlat‐e Eslāmī‐ye Afgānestān∥Islamic State of Afghanistan面積=65万2225km2人口(1996)=1190万人首都=カーブルKābul(日本との時差=-5時間)主要言語=パシュト語,ペルシア語(ダリー語)通貨=アフガニAfghaniアジア大陸のほぼ中央部に位置し,北緯29゜30′から38゜30′まで,東経60゜30′から75゜にわたる地域を占める。…

※「タンブーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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