チェーザレ・ボルジャ(読み)ちぇーざれぼるじゃ(英語表記)Cesare Borgia

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チェーザレ・ボルジャ
ちぇーざれぼるじゃ
Cesare Borgia
(1475―1507)

イタリアの僭主(せんしゅ)。教皇アレクサンデル6世の次男で、マキャベッリの『君主論』のモデル。枢機卿(すうききょう)であったが世俗の権力を望み、還俗(げんぞく)し、フランス王ルイ12世よりバレンティーノ公に叙される(1498)。1499年から父親とフランス王の支援を背景に教皇領内の中小領主の平定を開始する。着々と領土を拡大したが、中部イタリアに王国を建国する寸前になって、父教皇が死去(1503)、チェーザレの強運は終わった。政敵のユリウス2世に領地を奪われ、スペインに追放後その地で戦死を遂げた。彼は、狡猾(こうかつ)、残忍で目的のためには手段を選ばなかったが、反面決断力があり豪胆で軍人の資質を備え、政治家としても自領軍を編成したほか、領地の統治に有能さを発揮した。

[在里寛司]

『マキアヴェッリ著、黒田正利訳『君主論』(岩波文庫)』

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