チャド解放戦線(読み)チャドかいほうせんせん(英語表記)Front de la Libération Nationale du Tchad; FROLINAT

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャド解放戦線」の意味・わかりやすい解説

チャド解放戦線
チャドかいほうせんせん
Front de la Libération Nationale du Tchad; FROLINAT

1966年に創設された,チャド北部イスラム系住民に基盤をもつ反政府ゲリラ組織。公式には分離主義を否定し,アラビア語教育の振興など限定的な主張を打出すにとどまっているが,その北部的自己主張は分離主義と大差ない。 71年チャドは,リビアが同組織を支援しているとして,同国と断交したが,その直後リビアは組織の本部をトリポリに開設することを認めた。政府軍の掃討作戦にも容易に屈せず,逆に 72年6月には首都フォールラミー (現ンジャメナ) に奇襲攻撃をかけるほどの勢いを示したが,同年 11月チャドとリビアの国交回復に伴ってリビアの支援を失うこととなり,一時勢力は弱まった。しかし,その後再び勢力を盛返した解放戦線は 78年8月には H.アブレ議長を首相とし政府側の F.マルームを大統領とする初の南北連合政府を樹立するまでにいたった。 79年2月再び内戦となったが,周辺諸国の調停によって3月 15日ようやく平和協定が成立。同年 11月解放軍司令官 O.グクーニが大統領に就任した。

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