チュメン州(読み)チュメン(英語表記)Tyumen'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チュメン州」の意味・わかりやすい解説

チュメン〔州〕
チュメン
Tyumen'

ロシア中部,西シベリアの州。州都チュメン。州北部はハントゥイマンシ自治管区ヤマロネネツ自治管区となっている。西シベリア低地の南に広がる。全体に標高 150~200mの平地で,大部分がオビ川流域に属し,沼沢地が多い。西縁にウラル山脈がある。大陸性気候で,寒冷な冬季が長く続く。1月の平均気温-29~-17℃,7月は 14~19℃。年降水量 220~580mm。北部はツンドラ,森林ツンドラに,南部はタイガ,森林ステップ地帯に入る。1950年代にオビ川沿岸でチュメン油田が発見され,1960年代以降その開発が進められ,石油,天然ガスの採掘が大規模に行なわれるとともに,石油化学工業も発展し始めた。ほかに木材加工,食品,機械,化学などの工業がある。南部を中心に,穀物コムギライムギカラスムギオオムギ),アマ(亜麻)の栽培と畜産が行なわれ,北部ではトナカイ飼育が行なわれる。狩猟,毛皮獣飼育,水産業も行なわれる。交通はおもにオビ川,イルトゥイシ川北極海水運,南部を通る鉄道,航空路による。面積 143万5200km2。人口 332万3303(2006推計)。

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