日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディ・ジャーコモ」の意味・わかりやすい解説
ディ・ジャーコモ
でぃじゃーこも
Salvatore Di Giacomo
(1860―1934)
イタリア、ナポリの詩人、作家。ジャーナリスト、短編作家として(『ナポリ短編集』1914など)、劇作家として(『アッスンタ・スピーナ』1909など)、18世紀ナポリの大衆文化の歴史を掘り起こした研究家として、その活動は多岐にわたったが、なによりも生地ナポリの方言を自由に駆使した叙情詩人として知られる。処女詩集『ソネット集』(1884)以下、『カンツォーニ・エ・アリエッテ新集』(1916)まで4冊にまとめられた彼の詩は、多くがナポリの祭りピエディグロッタのために書かれたもので、詩につけられたメロディーにのって人口に膾炙(かいしゃ)した。パスコリとダンヌンツィオのはざまにあって、もっとも大きな詩法を実現した一人と評価されている。
[古賀弘人]