トゥスクルム論叢(読み)トゥスクルムろんそう(その他表記)Tusculanae disputationes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥスクルム論叢」の意味・わかりやすい解説

トゥスクルム論叢
トゥスクルムろんそう
Tusculanae disputationes

ローマの文人キケロの哲学的著作。5巻。ブルーツスにあてて前 45年に執筆。トゥスクルム (ツスクルム ) のキケロの別荘で2人の人物が対話をする形式で,幸福の条件とは何かを探究する。ラテン文学のなかで哲学的問題を扱う意味を論じてから,死が悪であり幸福の障害であるという命題を反証し,第2巻では肉体的苦痛が徳の前には無力であることを述べる。第3巻では悲嘆,嫉妬,憐憫,焦燥,落胆などの精神的苦悩が反省と忍耐と自制によって克服できること,第4巻では狂気,欲望,恐怖などが哲学によってしずめられることを論じ,最終巻で徳のみが幸福の条件であると結論づける。

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