トゥバン(英語表記)Thuban

改訂新版 世界大百科事典 「トゥバン」の意味・わかりやすい解説

トゥバン
Thuban

りゅう座のα星。この名は,〈竜〉の意のアラビア語に由来する。竜の尾に近い位置にあり,4等星であまり目だたない。しかし,この星は前2700年ごろの北極星であった。地球の歳差運動のため,天の北極はほぼ2万6000年を周期に天球上を移動する。トゥバンが北極星であったころは,エジプトで次々と大ピラミッドの建設が進められていた。ちなみに,クフ王のピラミッド内部には,墓室からトゥバンを見通す一直線の穴がうがたれている。また,当時この星はもっと明るく,2等星ほどであったとする説もある。中国名は右枢(ゆうすう)。概略位置は赤経14h04m,赤緯+64°23′。日本では周極星。実視等級は3.65等。A0型のスペクトルをもつ巨星で,距離は181光年。
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百科事典マイペディア 「トゥバン」の意味・わかりやすい解説

トゥバン

りゅう座のα星。前2700年ごろには北極星。実視等級3.65等,距離181光年。
→関連項目北極星りゅう(竜)座

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥバン」の意味・わかりやすい解説

トゥバン
Tuban

インドネシア,ジャワ島東部,ジャワティムール州北部,ジャワ海にのぞむ港町スラバヤ西北西約 85kmにあり,幹線国道で結ばれる。イネ,トウモロコシ栽培地域の商業中心地。かつてはアヘンの密輸基地でもあった。人口6万 5981 (1980) 。

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