トゥーバ共和国(読み)トゥーバ(英語表記)Tuva

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥーバ共和国」の意味・わかりやすい解説

トゥーバ〔共和国〕
トゥーバ
Tuva

ロシア中東部,東シベリア南部にある共和国。 1921年タンヌトゥーバ人民共和国として独立,44年ソ連に入り自治州,61年自治共和国となり,91年共和国となった。首都クイズイル。エニセイ川源流・上流域にあり,南はモンゴルに接する。東サヤン,西サヤン,タンヌオラなどの 3000m級の山脈に囲まれた地域で,大エニセイ川の流れるトージャ盆地と小エニセイ川およびエニセイ川上流部の流れるトゥーバ盆地から成る。乾燥した大陸性気候で,平均気温は1月-35~-28℃,7月 15~20℃。年降水量は盆地で 150~400mm,山地で 400~1000mm。盆地はステップ地帯,山地は森林,山地草原地帯となっている。チュルク語系民族のトゥーバ人の国で,トゥーバ人が住民の半分以上を占める。経済の主体は農業で,ウシを中心ヒツジヤギ,ウマ,ヤク,ラクダなどの飼育が盛ん。北東部ではリス,テンなどの狩猟も行われる。盆地では灌漑農業によりコムギオオムギなどの穀物が栽培される。鉱工業ではアスベストコバルト石炭岩塩などの採掘と,建設資材,金属加工,皮革,食品などの工業がおもなものである。交通網未発達で,わずかにクイズイルを中心とした道路網がトゥーバ盆地に広がっている。面積 17万 500km2人口 30万 6600 (1991推計) 。

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