トウィード川(読み)トウィードがわ(その他表記)River Tweed

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トウィード川」の意味・わかりやすい解説

トウィード川
トウィードがわ
River Tweed

イギリススコットランド南東部,スコティッシュボーダーズを流れる川。全長 156km。トウィーズウェルに源を発し,北東へ流れたのち東に方向を転じ,メルローズ付近まではサザン高地に刻まれた峡谷を流れるが,それより下流は広い谷を流れ,ケルソー付近でマースと呼ばれる肥沃な平野に出る。下流部の約 30kmはイングランドとの境界をなして北東に流れ,最下流部の約 3kmはイングランド北端部を横切って東流し,ベリックアポントウィード北海に注ぐ。主要支流右岸のエトリック=ヤロー川,ティービオト川,左岸のガラ川など。流域では早くから羊毛工業が発展し,沿岸には小さな毛織物工業の町や市場町が多く,有名な修道院の遺跡がいくつかある。

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改訂新版 世界大百科事典 「トウィード川」の意味・わかりやすい解説

トウィード[川]
River Tweed

イギリス,スコットランド南東部のボーダーズ州を流れる川。全長156km,流域面積約4840km2スコットランド南部高地のトウィーズ・ウェルに源を発し,北東から東流,途中エトリック,ティービオット,ティルなどの支流を合わせ北海に注ぐ。メルローズまでの上流域は河谷を形成し,粗放的牧羊地帯となって,〈ツイード織〉で有名な毛織物工業がガラシールズ,セルカークなどで発達する。下流の約27kmはスコットランドとイングランドの境界線となり,河口都市ベリック・アポン・トウィードはイングランド側に属する。流域ではサケ漁が盛んである。
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世界大百科事典(旧版)内のトウィード川の言及

【ツイード】より

…起毛や縮絨(しゆくじゆう)を行わないため織り目がはっきりし,手触りも粗く量感がある。語源は,本来イングランドとスコットランドの国境に位置するボーダー地方で織られていた粗剛な綾織のツイルtwillが,18世紀半ばころにスコットランド語でtweelとつづられ,しかもこの地方のトウィード川流域で製織されていたことからロンドンの商人がtweedと誤記したことによる。代表的な多色配色はヘザー・カラーheather colorと呼ばれ,イングランド,スコットランド,アイルランドの自然の草花の色調として親しまれている。…

※「トウィード川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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