トロシュ(読み)とろしゅ(その他表記)Louis Jules Trochu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トロシュ」の意味・わかりやすい解説

トロシュ
とろしゅ
Louis Jules Trochu
(1815―1896)

フランスの将軍、政治家。アルジェリア征服、クリミア戦争、イタリア統一戦争に出征、1866年将軍となったが、第二帝政陸軍の無規律と無能を批判する著書を出版したためナポレオン3世の不興を買い、逆に民衆の人気を得た。プロイセン・フランス戦争初期の1870年8月14日、第二帝政最後のパリカオ内閣によってパリ軍事総督に任命され、9月4日の帝政崩壊後に成立した国防仮政府の首班に推され、首都の籠城(ろうじょう)戦を指導した。しかし、専守防衛の「トロシュ・プラン」は降伏路線と受け取られ、パリ民衆の不信を招き、休戦条約締結1週間前の1871年1月21日に軍事総督を辞任。2月に国民議会に選出され、オルレアン派に位置したが、翌1872年辞任、政界を退いた。

[桂 圭男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロシュ」の意味・わかりやすい解説

トロシュ
Trochu, Louis-Jules

[生]1815.5.12. ベルイール,ルバレ
[没]1896.10.7. ツール
フランスの軍人,将軍。ルイ・ナポレオン (ナポレオン3世) の副官。クリミア戦争 (1854~56) ,イタリア遠征 (59) に参加,普仏戦争勃発の際,1870年9月4日第二帝政が崩壊して共和政が宣言されるやパリ総督,防衛司令官に就任,次いで国防政府首席となった。 71年辞職。著書『フランス軍』L'armée française (79) 。

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