トールオートグラス(読み)とーるおーとぐらす(英語表記)tall oatgrass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トールオートグラス」の意味・わかりやすい解説

トールオートグラス
とーるおーとぐらす
tall oatgrass
[学] Arrhenatherum elatius (L.) P.Beauv. ex J. et C.Presl

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。カニツリグサ近縁で、より大形であるため、和名オオカニツリという。飼料用に栽培される。草丈は1~1.8メートルになり、初夏に穂を出す。小穂がエンバク(オートoat)に似るところからトールオートグラスの名がある。ヨーロッパ原産で、世界的に広く分布しており、日本には明治初年に牧草として導入された。環境適応性が強く乾草用に北海道から九州まで栽培され、とくに暖地で、クローバー類やアルファルファなどマメ科牧草といっしょに植えられる。秋に種子を播(ま)き、翌年から年に1~4回収穫ができ、3~6年続けて利用できる。

[星川清親 2019年9月17日]

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世界大百科事典(旧版)内のトールオートグラスの言及

【オオカニツリ】より

…小穂の長さは7mm強で,2個の小花があり,下方の小花は実らず,長い芒(のぎ)があり,上方の小花のみ果実を生ずる。明治の初めにトールオートグラスの名で牧草として輸入し,各地に栽培したものから逸出して帰化植物となった。日本全土に生え,世界の温帯各地に見る。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」