ドビーア(英語表記)Gavin Rylands de Beer

改訂新版 世界大百科事典 「ドビーア」の意味・わかりやすい解説

ド・ビーア
Gavin Rylands de Beer
生没年:1899-1972

イギリスの生物学者。オックスフォード大学モードレン・カレッジを卒業。同大講師,ロンドン大学教授を経て大英博物館館長を歴任。2度の世界大戦には近衛兵として参戦。1954年にナイト称号を,58年にはローヤル・ソサエティダーウィンメダルを受けた。脊椎動物の相同器官に関係した比較解剖学・形態学,両生類を用いた実験発生学的研究をした。また,種により個体発生における発生順序が逆転する〈異時性〉の現象をもとにE.ヘッケルの〈生物発生原則〉を批判し,進化の過程・機構を考察した。進化論解説書やダーウィン関係の編著スイス風土西洋史に関する著書も残した。主著には《実験発生学入門An Introduction to Experimental Embryology》(1926),《ダーウィンの生涯Charles Darwin》(1963)などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のドビーアの言及

【生物発生原則】より

…しかし20世紀に入ってから,その期待は実現されないことがしだいに明らかとなり,それとともにこの説は多くの面から批判を受けるようになった。イギリスの動物学者ド・ビーアの著書《発生学と進化》(1930),《胚と祖先》(1940‐58)はそのような批判の決定打ともいうべきものである。批判ないし否定的見解のおもな点は,(1)個体発生の事実は系統発生の事実をそのままくり返すわけではないこと,(2)個体発生には系統発生が反映すること,(3)ヘッケルの書いたように系統発生が個体発生の〈機械的原因〉であるのではなく,個体発生の変化が系統発生をつくりだすのであること,などに要約することができる。…

※「ドビーア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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