ナイト(その他表記)night

翻訳|night

デジタル大辞泉 「ナイト」の意味・読み・例文・類語

ナイト(night)

夜。夜間。「ナイトクリーム」「オールナイト
[類語]小夜さよさりよい暮夜ぼや夜間夜中やちゅう夜分やぶん夜陰やいん夜半よわ夜中よなか夜半やはん

ナイト(knight)

ヨーロッパ中世の騎士。女性に奉仕することが美徳とされたところから転じて、女性に付き添い護衛役をする人。
英国で、国王・国家に対する功労により授けられる一代限りの爵位。サーの称号を許される。勲爵士。
チェスで、馬の頭の形をした駒。将棋の桂馬けいまに似た動きをする。

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精選版 日本国語大辞典 「ナイト」の意味・読み・例文・類語

ナイト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] knight )
  2. ヨーロッパ中世の騎士。女性を守り女性に仕えることが美徳とされた。また、比喩的に、献身的に女性の保護にあたる男性。また、一時的に女性の護衛役をつとめる男。
    1. [初出の実例]「チョーサーが写出せるナイト〈即ち上に云へるチバリイを遵奉する武夫〉縉紳の模範とも称すべき一詩は」(出典:修辞及華文(1879)〈菊池大麓訳〉礼度ある対言の術)
  3. イギリスで、王室や国家に対する功労によって与えられる一代限りの爵位。サー(Sir)の称号を許される。
    1. [初出の実例]「恩賞として、奈的(ナイト)の爵を賜はりしが」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一)
  4. チェスの駒の一つ。馬の首をかたどり、八方に桂馬とびができる。

ナイト

  1. 〘 造語要素 〙 ( [英語] night ) 他の外来語と結びつき、夜、夜間の意を示す。「ナイトクリーム」「ナイトショー」「オールナイト」「ミッドナイト」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナイト」の意味・わかりやすい解説

ナイト(Frank Hyneman Knight)
ないと
Frank Hyneman Knight
(1885―1972)

アメリカの経済学者。イリノイ州に生まれる。コーネル大学大学院で学んだのち、アイオワ大学教授、シカゴ大学教授を歴任。ナイトはシカゴ学派の創始者である。また、アメリカへ移住した外国人経済学者は別として、ナイトこそアメリカの理論経済学を創始したといっていい。ナイトは、主著『危険・不確実性および利潤』Risk, Uncertainty and Profit(1921)において、完全競争モデルを純粋理論モデルとして厳密に構築し、確率論が適応可能なリスク(危険)と、適応不可能な不確実性とを峻別(しゅんべつ)した。さらに静態的分析と動態的分析とを厳格に区別し、利潤が発生するのは不確実性が存在している、企業の動態的な活動においてであると分析した。また、企業が下していく諸「決定」に意味があるのは、ひとえに不確実性が存在するからだと主張した。ナイトは当初はオーストリア学派の迂回(うかい)生産論という資本論を継承したが、まもなくこれから離脱し、「機会費用」の概念を基礎として資本理論を展開し、限界収益均等化の理論を確立した。その『経済組織』Economic Organization(初版1933、復刻版1951)と題する教科書は、短文だが巨大な影響を与えた。弟子のうちの三羽烏(さんばがらす)ポール・サミュエルソン、ミルトン・フリードマン、ジョージ・スティグラーは、のちにノーベル経済学賞を授与されたが、この3人がそれぞれ著した教科書は『経済組織』を基礎にしている。弟子にはほかにも公共選択理論のジェームス・ブキャナンが1986年にノーベル経済学賞を授与されており、逸材の弟子たちの数はおびただしい。

西山千明

『奥隅栄喜訳『危険・不確実性および利潤』(1959・文雅堂書店)』


ナイト(George Wilson Knight)
ないと
George Wilson Knight
(1897―1985)

イギリスの文学者、批評家シェークスピアの作品を台詞(せりふ)の象徴的意味を手掛かりに考察した論著『火焔(かえん)の車』(1930、邦訳名『煉獄(れんごく)の火輪』)、『王の主題』(1932)などでシェークスピア批評界に独自の地位を占める。自ら俳優、演出家としても活躍、『アセンズのタイモン』『リア王』などを上演、その成果を『シェークスピア演出の諸原則』(1936)にまとめる。

[村上淑郎]

『石原孝哉・河崎征俊訳『煉獄の火輪』(1981・オセアニア出版)』


ナイト(騎士)
ないと

騎士

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナイト」の意味・わかりやすい解説

ナイト
Knight, Frank Hyneman

[生]1885.11.7. イリノイマクリーン
[没]1972.4.15. シカゴ
アメリカの経済学者。ミシガン大学卒業後 (1911) ,テネシー大学で修士号 (13) ,コーネル大学で博士号 (16) を取得。コーネル,シカゴ両大学で教鞭をとった後,アイオワ大学 (19~27) を経て 1927年からシカゴ大学教授。 50年アメリカ経済学会会長。主著の『危険,不確実性および利潤』 Risk,Uncertainty and Profit (21) は,予測不可能なリスク,すなわち不確実性を利潤の真の源泉とし,のちに大きな影響を与えた。また,不確実性をになうものとしての企業家の役割を強調した。 1930年代には資本利子論争に参加し,オーストリア学派を攻撃した。自由企業体制を批判しながらもその倫理的根拠を探求し,リカード研究や社会思想史的研究も多い。シカゴ学派の始祖の1人でもある。著書には,『経済組織』 The Economic Organization (33) ,『競争の倫理』 The Ethics of Competition and Other Essays (35) ,『自由と改革』 Freedom and Reform:Essays in Economics and Social Philosophy (47) などがある。

ナイト
Knight, Thomas Andrew

[生]1759.8.12. ラドロウ近郊
[没]1838.5.11. ロンドン
イギリスの園芸家,植物学者。オックスフォード大学出身。初め,果樹や牛の交雑を手がけたが,やがてエンドウが交雑研究の材料に適していることを見つけ,これを対象に実用的な見地から実験を行い,その結果,豆の色の異なる2種類のエンドウを交配してつくられた雑種が片方の親と同じ色の豆だけを生じること,さらにこの雑種同士をかけあわせて2代目の雑種をつくったときに,他方の色の豆も現れることを発見した (1799) 。これらは,G.メンデルが,のちに優性,分離と呼んだ現象にそれぞれ対応しており,ナイトはメンデルによる研究の先駆者の一人とされている。ただし,観察結果を数量化してはいない。彼は植物生理学者としても高名であり,植物の体液転流に関する研究などのほか,茎や根の生長する方向を決めているのが重力であることを明らかにした (1806) 。 1811年より英国園芸協会会長。

ナイト
Knight, George Wilson

[生]1897.9.19. サリーサットン
[没]1985.3.20. デボン,エクセター
イギリスの文学研究者,批評家,俳優,演出家,劇作家。トロント大学教授 (1931~40) を経てリーズ大学英文学教授 (56~62) 。『炎の車』 The Wheel of Fire (30) に始る一連の著作によって,シェークスピア劇の象徴的解釈を行なった。ほかに『シェークスピア劇演出の原理』 Principles of Shakespearean Production (36,64改訂) ,『バイロンとシェークスピア』 Byron and Shakespeare (66) など。

ナイト

騎士」のページをご覧ください。

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改訂新版 世界大百科事典 「ナイト」の意味・わかりやすい解説

ナイト
Frank Hyneman Knight
生没年:1885-1972

アメリカの経済学者,社会哲学者。イリノイ州に生まれる。テネシー州の二,三の大学で,化学,ドイツ文学,経済学,哲学などを修めた後,コーネル大学のヤングAllyn Abbott Young(1876-1929)のもとで経済学の博士論文を書いた(1916)。この論文は後に《危険,不確実性,利潤》(1921)という書名で出版され,現在でも20世紀における経済学の最も重要な古典の一つとみなされている。これは新古典派経済学における純粋利潤の意味と役割を解き明かすことを目的としており,利潤が知識の不完全性といかに結びついているかを示すとともに,確率分布をある程度確定しうる〈危険〉概念と,利潤発生の主原因たる〈不確実性〉(確率表現が難しい事象)とを区別すべき点を力説した。そのほか,経済組織の理論,資本理論,社会科学方法論などでも重要な論文を残している。ナイトは科学としての経済学の限界を強調しており,既存の経済学のドグマや通念を懐疑的かつ批判的な視点から洗い直すという作業に大きな足跡を残したといえる。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ナイト」の意味・わかりやすい解説

ナイト

中世の騎士の意。また,英国で王室,国家に対する功労者に対して授けられる一代限りの栄爵。バロネットの次位でサーの称号を許される。
→関連項目ギネス爵位スクワイアラーダークリシュナンリデル・ハート

ナイト

米国の経済学者。利潤が人間の知識や情報の不完全性と深く結びついていること,また利潤発生の主原因が〈不確実性〉であり,これと確率論的な概念である〈危険〉とを区別するべきことを主張した。主著《危険,不確実性,利潤》(1921年)は現代の不確実性の経済学に大きな影響を与えた。M.ウェーバーの紹介者としても知られる。

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占い用語集 「ナイト」の解説

ナイト(騎士)

コートカードの中の一つ。タロットカードの小アルカナ56枚のうち、コートカードは、キング(王)・クィーン(女王)・ペイジ(小姓)・ナイト(騎士)の四種類があり、またナイト(騎士)にはワンド(棒)・カップ(杯)・ソード(剣)・ペンタクル(金貨)の四種類がある。

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367日誕生日大事典 「ナイト」の解説

ナイト

生年月日:1759年8月12日
イギリスの植物学者,園芸学者
1838年没

ナイト

生年月日:1885年11月7日
アメリカの経済学者
1972年没

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ナイト」の解説

ナイト

騎士(きし) ②

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世界大百科事典(旧版)内のナイトの言及

【貴族】より

…その結果,13世紀以降,多くの地域で貴族の内部に階層分化が進行し,大きな所領をもつ高級貴族とこれに奉仕する下級貴族としての狭義の騎士身分の区別ができあがった。イギリスのナイトknights,フランスのシュバリエchevaliers,ドイツのリッターシャフトRitterschaft,スペインのイダルゴhidalgosなどがこの新しい騎士身分である。また,12,13世紀以来,自治都市が発展すると,市民共同体の内部でも富裕な上層市民の諸門閥が閉鎖的な〈都市貴族〉層を形成した。…

【ジェントルマン】より

…家紋は盾の形をした枠組みのなかに特定の図案が収められているもので,その家門がかつて武器をもつことを許された階層に属していたことを象徴する。ジェントリーはさらにナイトknight,エスクワイアesquireと単なるジェントルマンとに区分される。近代のイギリスでは,17世紀に創出された準男爵位の保有者を別にすると,貴族は数百人しかおらず,彼らはそのまま貴族院議員となっていたが,独立の社会層として機能するには小規模にすぎた。…

※「ナイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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